社会保障の負担増に伴う「変わる将来の働き方」

社会保障

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2022年秋より負担引き上げの議論が始まった。
中心となっているのは高齢者の負担見直しである。

【年金】

国民年金保険料の納付期間を延長するか否か
20歳―――――60歳――65歳
   (40年)  ≪5年延長が焦点≫

 もしこうなったら…

延長された場合どんな人に影響
 ―①自営業者、非正規労働者等国民年金加入者
  ②60歳で会社を辞めて仕事を続けない人

              など・・・
      保険料納付期間が5年延びる

【介護】

介護サービスの負担割合……原則1割負担

一定以上の所得280万円/年以上……2割負担
現役並みの所得340万円/年以上……3割負担

この2割・3割負担を拡大するか否か

介護保険料(65歳以上)

・一定所得以上は引き上げ
・一定所得以下は引き下げ


検討に入っている。

【医療】

2022年10月~75歳以上の一部の人(負担1割→2割に引き上げられた
国民健康保険料の上限額を引き上げるのか?(2万円/年)

負担増議論の背景として厳しくなる社会保障財政

75歳以上の人口予測 団塊世代が2022~24にかけて2000万人超
一方、2021年度出生数81.1万人(予想を大きく下回る)
それによって社会を支える現役世代が想定以上に減少する。
こうした中で高齢者の負担を可能な範囲で増やせないか?を議論する事は制度を維持していくために避けて通れない課題である。

ただし、
どこまでの人に負担の引き上げを求めるのか?
いつ負担を引き上げるのか?
慎重な議論がひつようである。

あくまでも対応が可能な人を前提とするべきであり、
負担が重く、
必要な医療や介護の利用を控えざるを得ない人が出てきてはなりません。

特に、今は物価が上がっています。
経済、そして社会情勢を充分考慮しながら
どこまでの負担増が可能なのか丁寧に検討しなくてはなりません。

【社会保障制度の見直しが働き方にも大きく影響を及ぼす】


もし、健康保険料納付が65歳まで延長された場合、
希望により65歳まで働ける法律はできたものの、
60歳で会社をリタイヤしようと考えていた人が
60歳以降も仕事を続けなければならないことになる。

もし、介護サービスの負担が増えた場合
年金だけに頼らず、
出来るだけ長く働いて収入を増やさないといけない。

だからこそ国は、

高齢者雇用の拡大・充実
セカンドキャリア支援の強化


同時に進めてゆく必要がある。

それらは、自治体や企業にも言えることではないだろうか。

【セカンドキャリア支援の課題】


定年後の働き方は40・50代の準備が大きく左右するケースが多いと思う
シニア世代に入る前からの支援強化が必要
しかし・・・現状は充分ではない・・・


例えば企業において

モチベーションアップ、自己発見の研修に対して 50歳以上対象に6%
キャリア設計、プランの個別相談・研修 50歳以上16.5%

中高年層のキャリア支援拡充をしてゆくべきです

経験を広める意味で、
副業促進や学び直しの支援も大事である。
しかし、
中小企業は支援の余裕が無いところも多い。

そこは
国や自治体が企業に代わって定年後を見据えて
相談・学びの場を設ける必要があるのではないだろうか。
それこそ
40・50代対象のセミナー・研修を広げてゆくべきであろう。

私たち自身も
60代、そして場合によっては、その先の働き方まで
早い段階から考えてゆく必要を感じてならない。

60代以降の働き方 何がポイントなのか。
自分の強みは何かを考えることが大きな一歩

技術・知識・真面目さ・コミュニケーション能力・面倒見の良さ
人間性の方が重要視されるかもしれない

強みが生きる仕事は何か
働きたくても働けない人もいる。
そうした人たちを社会が支えてゆく必要があるのではないだろうか。
今の高齢者だけではなく
現役世代の今後のキャリア設計にも大きな影響を与える事である。
少子高齢化が続く以上
社会保障制度は今後も変わり続ける可能性がある。
私達はその制度の変化に合わせて老後の生活・働き方を考え、見直す時に来ているのではないだろうか。

投稿者プロフィール

笠原玄一郎
笠原玄一郎代表取締役
・公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会
 認定登録 医業経営コンサルタント
・BCP(事業継続政策)研究会所属
・病院組織改革研究会所属
・働き方改革改善
・増患及び集患に伴うマーケテイング分析
・診療圏、患者分析(用地診断・科目選定・用地開発)
・開業、法人化に伴うマネージメント
・施設建設に伴うマネージメント
・歯科経営(自費収入強化・訪問歯科推進・開業支援マーケテイング)