医療機関働き方改革 −2−

デジタル医療革命

今、大きな変化を必要とされる日本の医療
必要とされる変化とは
・加速するデジタル医療 ⇒ 超高齢化社会への医療課題
・DX(デジタルトランスフォーメーション)
  ⇩
 体でやってゆく事が必要であり、病院全体で一致団結して取り組む
・AIによる「がん」の早期発見
 医療の在り方を基本から変える最新テクノロジーを導入し、
 ベテランの医師でも指摘するのは難しい影・データを集めて記録するデジタル手術室

などがあげられる
そこで考えてゆく対策とは

日本の持つ未来の可能性とは?

1.集中治療体制の崩壊を防ぐ
2.死因第1位「がん」から命を守る
3.「医療過疎」をなくす
4.「認知症」発症を止める
5.健康長寿で超高齢社会を乗り切る
以上の5つについて今後の在り方について述べてゆく(私見)

1.集中治療体制の崩壊を防ぐ

新型コロナによる危機・・・過重労働が重くのしかかる医療現場
             集中治療室の現場は日々ひっ迫している状況である
             ↓
       デジタルを活用することで何ができるのか?
・遠隔ICU支援システム・・・医療ベンチャー企業との連携をする
市内(地域内)の体制・設備の整わない病院を支援することによって、
 軽・中等症患者に対応し、
オンラインを使うことで情報を共有する集中治療専門医と連携することで24時間支援することが出来る。

HCU(高度治療室)⇒ICU対応準備(高度救急)= 遠隔ICU定例ミーテイング
が実現できる
一方、
一般重症者患者対応・・・地域のみんなで取り組んでいくことが重要

ITによる集中治療の効率化⇒サジェスチョン(提案)

・ベテラン(専門医)の目があるだけでも安心感があり、死亡率を大きく下げることが出来る
 毎日の積み重ねの中で小さい芽を摘んで大きなことにつながらない様に細かい介入を重ねてゆく事で結果が出る
 集中治療室の実情を知ることで様々なことが観えてくる

ビックデータとAIを用いた重症化予測

・デジタル技術を用いた遠隔ICUなどデジタル化によって集中治療が受ける恩恵は計り知れないものがある
 集中治療はコロナ禍において命を守る部分で最後のとりで、医療の在り方は変わってゆく。
 しかしながら、デジタルは手段でしかなく、デジタルそのものが目的化であったが、デジタルで医療の現場の何が変わるのか注目すべきである。

2.死因第1位「がん」から命を守る

 「がん」の早期発見のためにデジタルをどの様に使うのか?
 医師の読影力により差が出る
              ↓
AIによる画像解析ソフトウェアを導入する(医療機器として承認されている)
その都度、機械によるAIが判断して再び(再度)医師の目で検証することは非常に意義のあることである。
見落とすことがないという安心感を持つことが出来る(ダブルチェック)

3.「医療過疎」を無くす

 地方においては医師の高齢化による閉院が増加
 高齢化が加速し病院に行けない・・・訪問診療の大切さ
     ↓
 【医療過疎 × 高齢化が住民に大きな不安を与える】

 デジタル技術を活用して地域の中でいかに医療を継続するか?
     ↓
 オンライン診療(看護師が訪問)タブレットにて医師に状況を伝える
     ↓
 処方(薬)を配達する

 *周りがサポートしてデジタルツールを使うことで医療にアクセスすることが出来るようになる
 リモートによるオンライン診療を普及させる⇒ドローンによる自立飛行(薬の配達)
 オンライン(映像)による情報についてすべての開業医が実行すれば完全なオンライン診療が形になる
 国が在宅医療を推進している中でそうすべきである。

超高齢社会の日本の行方

 医療費は高騰し、支える人口の減少
 今まで世界が解決した課題を手本にしてきたが、高齢化社会に関しては見本が無い
  ・・・世界的な問題であり、日本は世界の未来となってゆく
                ↓
          デジタルで何ができるのか?
 今まで介護保険制度を作ったとき、サポートの提供度合いで補助費用(お金)を決めていた
 介護度が下がれば(改善)サポート費用は少なくなる
 デジタルを使うことでコストをかけることなくその人にとって何が必要な支援なのか「見える化」したうえで改善の方向への報酬(インセンティブ)を付けてゆく事も考えてゆくことが出来るかもしれない
 医療の質を上げてゆく、効率を上げてゆく、この取り組みが求められてゆく。

4.「認知症」発症を止める

 2025年には65歳以上の5人に1人が発症すると言われている。
 認知症の手前、軽度認知症(MCI)の段階で早期に治療することでその後を大きく左右する。

デジタルは貢献できるのか?

 現在、認知症テスト(記憶・計算など9項目)
    長谷川式簡易知能評価スケールを使っている
 ・・・しかし判断は難しい それだけでは計り知れない

MCIの段階で早期発見の取り組みとは?

 目の動きによって脳の動きを判断する
 デジタルテクノロジーで具体的な数字として表して活用する
 データで広くとらえ、その人らしく元気に生きる時間を伸ばすことが出来る
 今まで病院内のデータが主役であったが、健康な時からデータをつないでゆく事が医療そのものである。

5.健康寿命で超高齢社会を乗り切る

 どのような健康長寿社会を目指すのか?(今後の重要なテーマである)

【神奈川県の取り組み】
 高度経済成長期多くの団塊世代が移り住んだ
 2025年団塊世代が75歳以上になり、高齢化が急速に進むと言われている
 個々人が自分の健康状態を知る「新しいモノサシ」を持たなければいけない
 (未病指標)
 最終的には自分が自分の健康をデザインして作ってゆく社会を目指す。
 それの大きな指標になるのではないだろうか

【住宅メーカー】:在宅での死亡者が現在 7万人/年
 在宅医療において、検知・解析・異常通知・安否確認・出動要請・遠隔解錠といった
 施設へのシステムを導入すべきである。
 家の中で日々、バイタルデータを計測できることに価値がある
 そして将来的に「医住連携」といった形にまでつながってゆく事が重要である。

医療 × デジタルの展望

マイナンバーカードを通して一人ひとりの健診データ・薬のデータを確認できるようになる。
一人ひとりが豊かに生きるためのデータを使う
データを共有しながらお互いに新しい価値を一緒に作ることが出来る
これがデータの重要な性質である
医療の分野を軸にして、正しいデータ活用と対話を促進してゆく
データを活用して自分に合った治療・医療が可能になる
一人ひとりの状況やタイミングに併せながら支えてゆく医療の実現が必要である
デジタルで生まれる新しい可能性
デジタルによって医療の世界をより深く探索し、時には病院の外まで広げ、一人ひとりをとらえることにより、今までできなかった医療ができるようになる。

 世界の未来をつくる医療が日本で生まれてゆけば
 日本の未来を支えるものになる
 世界にとっても新しい可能性になる転換点になる

内閣府が進める政策

SPI=戦略的イノベーション創造プログラム

 *日本に必要な研究開発が進められている
◎その中でAI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム
              ↓
  種々の情報を取り入れ非常に高度化され複雑になってくる
  AIの助けがいろいろなレベルで求められているので
  そうする場を作ってゆく事が重要である

◎AIビックデータを使い医療・AIプラットフォームを作り多くの機関・医療システムを開発している
 医療機関・健診センター・保険会社が使っている
 プラットフォームを作ることは、医師や患者にとって理想の医療をデジタルの力を使って実現しようとしている

◎地域・在宅医療の高度なサポート(遠隔診療)
 AIを使って情報を発信できるようなシステム作り
 誰も取りこぼさない医療(小児医療)
 希少疾患データベースをAIが補助する
 それによって医師も複数の可能性を検討できる

大規模病院や大学病院に居なくても現場の医師がソフトを使うことで珍しい病気でも診断に近づくことが出来る。
AIホスピタルを使った新しいシステムが適用されることによって日本の小児医療で足りなかった部分が改善できる。

◎AI(人工知能)を使った利点
 医療従事者に時間的な余裕を取り戻すことであり
 心にゆとりが生まれて、もっと血の通った医療を取り戻すことが出来る。
 心の通った医療を実現できるようになるのではないか。

 これからどのような医療を受けたいのか?
 
どのような健康生活を送りたいのか?
 
日本の未来を決めるのは一人ひとりの想い。
 
その想いを支えるのがデジタル医療であると思う。

投稿者プロフィール

笠原玄一郎
笠原玄一郎代表取締役
・公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会
 認定登録 医業経営コンサルタント
・BCP(事業継続政策)研究会所属
・病院組織改革研究会所属
・働き方改革改善
・増患及び集患に伴うマーケテイング分析
・診療圏、患者分析(用地診断・科目選定・用地開発)
・開業、法人化に伴うマネージメント
・施設建設に伴うマネージメント
・歯科経営(自費収入強化・訪問歯科推進・開業支援マーケテイング)